ADSL/構造
君はなぜ、ｴﾚ 勃 ｸ 起 ﾁｵﾝしないのか
すべてということばすらなまぬるいほどの
血とかさぶたでできた山河のなかを
男どもの海綿体だけをもぎとって構築した
ADSL回線で
だれもが悠長にラブとつぶやく
わたしたちが連峰のいただきにまでのぼり
苦味にあふれたことばたちを飲み込んでいるとき
それらをやさしさをよそおっただけの
衣擦れの音音だけが掻き消していく
そしてぼくたちは
あわせかがみに連なる
山の頂上ではだかになり
金管をつたわるように手をたたいた
それらは一つの共振によって
5000メガBPSにもなった
はるかふもとをみたしていくものを
ひとつの機関となって
見守ってすらいなかったのだ
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