もう、知らない/山崎 風雅
 

 おろかな夜に
 ひとり、ずっと考えてる

 抱えている秘め事は
 背中から羽が生えて
 夏の終わりの夜空に飛んでいく


 ほのかな香りを残して
 振り向くこともせずに
 幸運の女神は寝床に帰った

 置いてけぼりの僕は
 羊の皮をかぶって
 夜が明ける音を聞いている

 明るい未来って
 どこで売ってるの?

 これでも少しは人生の苦さを知っている
 優しい

 ただ目に映る光景に目がくらむ
 楽しい

 行き場所のない僕のトンボは
 風向き次第で何処にいくのか分からない

 急ぎ足のサラリーマンは痴漢してるし
 夢を落とした政治家はお金の勘定ばかりしてるし

 もう、知らない


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