[:handle/プテラノドン
 
 こうしてようやく眠りにつく頃には文字は無意味。それより、
倒れ伏したベットから耳に入る、とぎれがちな 車の音が好きだ
それは―、日々の重複を語る白紙の上で、最終行でしたためられる
幽霊達も愛用したト音記号。
 もしくは、慰められている気がするからか、或は、
慰めを求めていたから、か。車内で犬を飼うトラックの運転手たちは、
深夜、立ち寄ったコンビニか、インターかの、宙ぶらりんな駐車場で、
そこがあたかも品評会の会場であるかのように、ちびた毛で包まった子犬を
悠々と歩かせる。手綱を握っちゃいるがぼくには見えない。しかし、
ぼくにはきっちり見えている。彼の握るハンドル じゃなしに

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