代替品/和歌こゆみ
 
のみすぎて
だきあって
六時に目覚めて歩いた舗道
あの時ふたり通った場所
いまは独りたどっている


ほんとうはあなたにみてほしかった
いくつもの顔
あのひとにさらけだしているの



『もう こどもじゃないよ。』



伝えない、だなんて
口にした途端
破ると決まった約束を
どうしてしてしまったのだろう
あのひとがなにを思うのか
いまもまだ
すこしもわかりはしないというのに




追われるのが疎ましくて
追うことに疲れ果てて
そんなことを
いつまでくりかえしても変わりはしない
同じ場所を
いつまでまわりつづけるつもりなの
いつからか傍にいた
私がつくったわたしが囁く


離したくない手はいつも
むこうから差し述べられてきたけど
ほんとうに 私はそれがほしかったのか
どんなに刹那の夢でも
望んだときにだきしめてくれる
腕さえあればそれでよかった




かまわないで


ひとりにしないで



今日じゃなきゃだめなの
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