ハイミルク ハイライト/ウデラコウ
そしてまた 君は
何度も何度も 振り返っては
僕に手を振って
泣き出しそうな 笑顔のまま
夕暮れの雑踏の中に
ゆっくりゆっくり 消えていく
そんなにゆっくり歩いたら
電車に乗り遅れるぞって
わざと明るく 言ってやろうかとも
思ったけど
そんなこと言ってたら 僕の方が
君を追いかけに
行ってしまいそうで
作り笑いで 精一杯 手を振る
今なら 世界一の名優にだって なれるだろう
堪えきれず溢れる涙を
道行く人々に 見られないようにと
上を向いたり 下を向いたり
これじゃもっと不自然だと 苦笑いを浮かべながら
一人何度も瞬きを 繰り返して
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