夜めぐる夜 ?/
木立 悟
音を持たない機械から
雨と風が聞こえくる
思いがけない場所に隠れて
唱いつづける子らの笑み
痛みも歴史も去ってゆく
街を土から引き抜くと
雷雨にさらされた道の上には
既に何の痕跡もない
二重の泡と四つの世界を
荒れ野と虹は行き来する
蒼はひとり 銀はひとり
曇の下の曇を歩む
あなた みなもと とどまることなく
鳥にも蛇にも生まれるたましい
地と水の線をつなぐ火のうた
宝石の子の降り止まぬ夜
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