うなり/わら
 
えるよう


ふらふらと
街灯の光に浮かびあがったトンボを
追いかけそうになった

まだ、この季節の湿度が重くて
うまく動けなかった

幼き夏のおもかげを求めるように
極楽トンボは消えてゆく


それでも
この、熱を帯びた夜が涼んでゆくのは
たまらなく名残惜しいんだ


なみだみたいな体液と
おなじ温度のようだから













戻る   Point(26)