儚さ重視の恋人達/哀詩
れるなんてことはないのだ。）
だから彼女だって
「あたしでなくっても良いのだなぁ」
なんて思ってしまって、
途方に暮れたところに彼氏が
甘くキスを落とせばそれで
切なさいっぱい胸に満たして、
全てが満たされたという幻覚を夢見るのだろう。
そこにある無常感はなぜかいつでもつきまとうのに
永遠はそこらじゅうに転がっているのに
いつも僕等が求めるのは
持っていないものばかりで
なぜか汚くって醜くって、
欲にまみれて、なんて言葉が生まれたりする訳だ。
あたしの意味があなただったのも、
そこに永遠を見出したのも、
儚さ重視のあたし達、恋人だからなのなら
いっそ胸を張るべきか。
汚れているのが良いじゃない。
二人なら汚いとこをお互い、バカにして
笑いあえるはずじゃない？
（そんな夢を見ても現実に写してみることすらままならないけれど。）
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