雑草/
望月 ゆき
草むしりの昼下がり
庭の芝生に紛れる
名も知らぬ青く小さな花
ひとつ。
ぼくは 一瞬の迷いもなく
それを引き抜いた
玄関の前の電柱の下
にも
と、思ったら
たんぽぽで
ぼくは思いとどまった
そのままで
そのままに
庭に咲いた青い花を
引き抜く権利が
誰にあろうか
生きていく上で
無知であることは
強く
世の中において
広く知られていることは
極めて重要だ
青い花は
その生を
ぼくに依存していた
誰か
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