水底の死/
衿野果歩
幻は所詮幻だと
嘲笑う雨のメロディ
耳に痛いリズム
もうなんにも聞きたくない
あなたの居ない部屋を
満たしていく雨の気配
水圧が増して
なんにも聞こえなくなる手前
性器がこすれ合う度に
生まれる熱を
愛だと勘違いしていた
その熱はとっくに奪われて
肺が潰される
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