粗末な笛/月見里司
 
続きだけの道を歩く 方角は二十七個ある

なだらかな草原の坂 みんな自由になった
緑の夕日を待つだけ 幻燈機に集う少年達

何も見えないままだ 足音が聞こえてくる
大人はいなくなった 一つだけ赤くなった
音もなく円ができる この空に鳥がいない

次に二つ赤くなった いつか君に恋をした
光る影が目にうつる ここは大きい人の国

長い時間の田園風景 木になった少女の道


//2007年8月29日

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