お月様が笑った/
アズアミ
ペットボトルが散らかった
小さな部屋の
6センチの窓から顔を出した月を
今はねむいから、と
人差し指で押しのける
ぜんぶ
見えなくなって
ちょっと冷たかったかな、なんて
ハミ出さないようになぞったら
思い過ごしでしょうか
ほんの少しだけ
あなたが微笑んでくれたような気がしたのは
月の色をそのまま爪に映して
ほら、綺麗でしょ
なんて言えないのは
きっと僕が男だからです
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