午後の寂寥/智鶴
遠くには浮かぶ朱色
それに染まる無垢の白
太陽は目を閉じて
月はまだ眠りの中に
始まることは辛く
終わることは切なく、寂しい
揺らぐ夕映えに金色に
儚く日々を追う
いつか、泳ぐ歌は沈み
千切れたそれは、まるで鳥のように
此処からは見えないほど
遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って
震える掌に言葉を乗せ
風に漂う命として
影も謡う夕暮れ
伸びる煙を吐いて
千年先に生きて
億年前に朽ち果てた
いつか、此処に傷を抱え
帰る声が終わりを告げ
果てぬ夢を
続く意味を
此処に確かに掴めることを
遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って
いつか此処で
再び目覚めるように
戻る 編 削 Point(2)