午後の寂寥/智鶴
 
遠くには浮かぶ朱色
それに染まる無垢の白
太陽は目を閉じて
月はまだ眠りの中に

始まることは辛く
終わることは切なく、寂しい
揺らぐ夕映えに金色に
儚く日々を追う

いつか、泳ぐ歌は沈み
千切れたそれは、まるで鳥のように
此処からは見えないほど
遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って

震える掌に言葉を乗せ
風に漂う命として

影も謡う夕暮れ
伸びる煙を吐いて
千年先に生きて
億年前に朽ち果てた

いつか、此処に傷を抱え
帰る声が終わりを告げ
果てぬ夢を
続く意味を
此処に確かに掴めることを

遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って
いつか此処で
再び目覚めるように
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