残暑/
高橋良幸
札幌の上空でカモメが鳴いている
どうやらまだ私たちを海へと誘っているらしい
窓を開けていた部屋の分だけ
住宅街に波がよせて 返した
積み残した雲を片手に ベランダへ出た
澄んだ宵闇に満月があったので
そこが水面かと思った
汗を汗のままにしておく湿度が空のあたりまでの水
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