君は詩が書けない人/ウデラコウ
僕が不安だと
君は 時折思い出したように呟き
そっと 僕の袖を掴む
自分の感情と 人間の形の不確定さに
君は押しつぶされそうになって
言葉だけで繋ぐには 大きすぎる想いに
僕は
僕の魂が一番形になってるものを
君に預けることにした
1冊のノート
ボロボロの表紙に 君は
怪訝そうな顔をして 僕をみつめる
君は詩が書けない人
それでも 只管 貪欲に
僕という存在の 安定を欲するから
僕は 君に預けることにした
僕の魂の一番脆いトコロ
僕が命を吹き込んだ 言霊達
そっと微笑む僕に
君はそのノートを 静かに開く
そして そこに並んだ言葉達を見つけて
何よりも嬉しそうに 微笑んだ
君は詩が書けない人
それでも
僕が紡ぐ うすっぺらな言葉達を
ずっと愛し
僕よりも ずっとずっと 詩人に
相応しい人
君はきっと 今日も
書けないって
笑うのだろうけど
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