あなのそこ/アンテ
 

じめんのあちこちに
ふかいあながあいていて
うっかりよそみをしていると
おっこちそうになる
ながいいとがそらからいくつもたれさがっていて
やくにたちそうもないものが
えんにちのくじびきみたいに
いくつもぶらさがっていて
じめんのあなばかりみていると
あたまをぶつけて
そのたび
くぁん とからっぽなおとがする
ぶつかったものはいとからはずれて
じめんをころころころがるうち
あなにおちて
ふかいそこでおとをたてる
いとのさきはわっかになっているので
じめんのあなばかりみていると
くびがひっかかって
ちゅうづりになりそうになる
そんなふうにぶらぶらぶらさがって
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