望みが薄い/黒川排除 (oldsoup)
 
 夢を見た。犬がわんと吠えるまで見た。わたしは当時の格好で、先生は偉かった。偉い先生が偉い表情で偉い仕草で偉い鼻息で見下しながら、お前は望みが薄いから去れ、下山しろと言ってきた。当然意味が分からないから、敬語のつもりで、何がだ、このハゲと言い返す。そこでもう一度下山しろと言われた。我々は標高の高い山の八合目付近にいた。装備ももたずに、普段着のままで、いた。わたしは不意に呼吸が苦しくなるのを感じた。それを目の当たりにした先生はにやにや笑いを浮かべていた。望みが薄いからだよと言ってきた。わたしは呼吸を閉じながら、空気が薄いからですよと表明した。だがそれでも先生は笑っていた。わたしの汚点や汚点のようなも
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