飴細工/見崎 光
 
こころ、が
ほどけていく

ゆるり、ゆるり、と
流れていく

苦水を干し
甘水を欲する

頑なに形を得ようとはせず
熱に垂れて
想いに焦げて

こころ、は
時折 玉となり
塩水を零して
また
ほどけだす

清らかな滑り
純水の円舞

くるり、くるり、と
感情に揺れながら
根底の先
真実の源より溢れる
愛しさの念に
仕上げは施される


ほどけた紐を結ぶよう
乱舞に潜めた砂糖水
こころ、結んで形となって


たったひとつの
飴細工






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