ベランダの季節/バンブーブンバ
ベランダを
君は
どのように名づけていたのか
知らない
ただ
白い部屋のなかに
そこは
紛れもなく
草原だったんじゃないかと
僕も
一輪のガーベラ
十分だったから
ようやく
君の視線
辿れるような気がして
ひとつベランダをはさんだ向こうに
日脚を追うようにして
そよぐ君
遠き白い山と重ねた君を
眺めた
両耳から赤いウォークマンのコードを垂らしていたね
それから
スキンヘッドだった
もちろん知っています
上の手から列車が朧な反響をひろげたから
かよわい鼻筋や首筋をなぞることができた
可憐な黒い線を
肩に掛かるくらいに
描いてみせた
しばら
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