トワイライト/霜天
時間は、斜めから溶け合う頃になって
辺りはいつの間にか曲がり角になって
それは
人生、
とは呼べないような私たちだったり
生きている道のことだったり
例えなければ綺麗だったのに
どうして、そう、してしまったのだろう
今の頃には海はもう冷たくて
君たちは帰るしかなくなって
さよならという影は踏まないように
寂しそうに笑う目蓋に夕刻をためていきながら
深く沈む砂浜に
それでも誰かを残したくて
足元から削られていく
それは今年も変わらずに
小さくなる君たちを見ながら
水に溶ける
中に、溶ける
水溶性の心理を
小さく四角い波間に流す
トワイライト、曲がり角
人生とは呼べない私たちの
薄い足跡を小さく曲げる
ここはそんな、静かに優しい
夕暮れる
斜めから溶け合う頃になって
夏は降る
降り注ぐ
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