櫻桜/
路守 緒世留
私がそっと振り返った時
小路に桜が咲いていた様に思う
その頃はきっと未だ
手の中の光は消えそうに無く
目の前の空は透き通る様な晴れ
私がそっと振り返った時
小路に桜が散っていた様に思う
その頃はきっともう
手の中の光は幽かにちらつき
目の前の空は逼り来る様な白濁
その頃はきっともう
膝をついて悔やむ事も無いのだ
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