光の鳥/草野大悟
 
うすっぺらな
かさぶたを
かさねすぎて
海をわすれた。

くされかけた
霧のなかを
影のない魚たちが
歩んでいった。

矢のように駆ける
雲の彼方に
涙をたたえた
光の鳥を見た。




戻る   Point(4)