シャウト/砂木
 

世界地図の下に貼り付けてある
アイドルの切り抜き

骨髄バンクに登録をって
生前の拳を掲げた姿が
笑顔で写っている

歌声は今も響く
妖精のような可憐な彼女が
何もかもかなぐり捨てて
画面越しにつきつけた情熱

あんなに可愛いのになんで
こびない必要があるのか
女じゃなかった
男じゃなかった
スポットライトの下

百円ショップで買った世界地図
売っていない世界の区分
でももう どこにもいない

新聞の広告だから捨てるのは
簡単なのだけれど
拳をかざして 笑っているあなた

まだ 捨てられない

世界地図の外に貼り付けてる
私の行きたい場所

流れるうたと みつめあう



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