つばさ みどり ?/
木立 悟
星
左目の下にひとつはばたく
髪からあふれ ふたたび朝の
青の手となり さよならを振り
流れても流れても色になり
言葉を迷い 言葉に残る
昼をくぐらず午後になり
山を馳せる曇は銀
沈む星を聴くしずく
左目の下を飛び去ってゆく
こぼれる 消える まばゆさは
皆ひとつの同じ色
うすめすぎた絵の具にまじり
つながりとめぐりを描いてゆく
遠い雨をゆく遠い傘
しずくがしずくに生まれ出る音
花と水と言葉の輪
蛾の片羽に重なってゆく
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