鉄軌分界点。/鯨 勇魚
 

車窓からの透き通った淡い光は流れ空の輝いてしまう唐草に巻いて、ぼやけている。

遠く波打つ一線に、静かな漁り火。それは海岸線の、むこうに、ある地平線との境。

(漁り火はね集まるの。たくさん。でもね、綺麗だけどね。帰れなくなるの。)

いけない、いけない。と瞑ります。
開いた時には季節外れの(デルタ)ををみつけたことで、
あの夏の星座の名前を口ずさんでしまった。

タタン タタン トタン トタン

近くは、はやくて残光の伸びるが、夢。
見つめていることは出来ない。
あれは、なんだったのかしら。
と、散らしてしまえば、
(一瞬も過ぎて。)
過去としたい。
卑怯
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