夏の終/モーヌ。
 



白い 塗りかべの 建築や 小路を 抜けて

とまどいながら 最初の 一声が いまだ

はばたいている ように かぶさって いた

こちらがわの 無垢な 海砂の 地へ

いくども つばさの かげを 感じて

まばたきの できない 光線が 照らし

乾いて 息が 苦し かった

どこの もの だろう...

ひとつの 実りの 豊穣の なかで

( もう 夏の 終声が はじまる ときだ )





細い 蔦草で 編んだ 冠を かぶって

あなたは こちらを ふりむいた

くびれや ふくらみに 夕映えは すべり

上気 した 顔は 
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