ディズニーとマクドナルドと劇団四季に命を狙われる男/カンチェルスキス
度引き返して、あの運転手を轢き殺したんだから。
バスはスピードを落とさず、どんどん加速していった。このバスにとって地球は狭すぎた。横断歩道でベビーカーの赤ン坊をはねた。女をはねた。自由をはねた。八時間労働をはねた。いるとしたら、神もはねた。はねるものがなくなった。
バスはどんどん進んだ。暗闇に包まれた。おれは座ってるだけだった。どこに停まろうが、停まらないことがあったにしても、おれには何の問題もなかった。
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