連鶴/悠詩
 
折鶴の

誰(た)に習ひしか忘れしも

右手(めて)と左手(ゆんで)に刻まれし

貴(あて)なる鳥の影形

盲(めしひ)となりぬこの身にや

神の言の葉聞こえざる



葉月萌ゆ

井戸の香りの涼やかに

右手(めて)と左手(ゆんで)にいさよひし

釣瓶えならず濡(そぼ)ちども

いと稀有なりき日の影に

この身と共に爆(は)ぜ逝けり



{引用=
鶴の哭(な)く

刹那も無くに

鶴の無く

時の溶け

時の疾(と)く溶け

穢土の床

闇止まぬ
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