糸切れ/げ
 
言い返すこともできないで 
途方に暮れて背が伸びる 
僕らの心は目には見えないものです 
手繰り寄せたら糸切れ凧だ! 
いいわけみたいな独り言で 
妄想町へ繰り出した
澱んだ くびれた細い声ふらふらさまよって 
ありがとう ごめんな 
全部 言えた? 
そういえば なんだ 
さよならもしてなかった 
がらんどうみたいだな 
日常に大きな穴をあけるのは 
誰かにとって特別な子 
だけど普通の女の子 
たぶん近くて 
手が届きそうで 
言いかけた言葉さえ 
明日にはいらないもの 
あとからあとから着いてくる
後悔ってこんなふうだ 
今日だって 
いつだってもう 
会えない誰かに 
許されるのをずっと待ってる
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