影で切りつける/カンチェルスキス
込みたいと考えていた。
かまぼこ工場の送迎バスを
中年女が何人か
高架の下で待っていた。
こどもの弁当を作らなくても
いいことが
どれだけ気分的に楽なことか
話していた。
丸刈りの高校生が
先輩に深く頭を下げる。
それから仲間と
文句を言い合う。
抜け道で
道路工事の男たちが
並んで座っていた。
タオルを頭に巻く。
髭を生やす。
真っ黒。
「まだまだ暑なんで」
一人が言った。
長めの黒ソックスの
自転車の女子高生が
通り過ぎた。
茶髪のロングヘアで
いじめれ
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