光の回折/
凛々椿
グフードを食べてみたりね
あれはあんまりおいしくなかったな
年月は歌うように
眼の右上と左上にちかちかと点滅して
空しさは苦笑いに変わり
今は穏やかに
そしていつかゆっくりと忘れていって
それでも悲しくはないのだろう
重かったはずの空を見たりマンホールを見たり歩道橋を見たりして
少しだけ思い出したりして
笑ったり嘆いたりもして
そして蝶はいつまでも
飽きもせずに庭を旋回して いて
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