徒歩旅行/なを
ラマが燃えるのがきっとうつるでしょう。だれが火をつけ たのか知らない。それはローマ人の都みたいにあなたの、華奢な骨格の檻のなかで燃えていた火です。その火をみてわたし はきっと酷く幸福です。
空白には絵を描いてくださるととても嬉しい。あなたはきっと絵がじょうずで、殊に赤塚不二夫の模写なんかがとてもじょ うずだと思います。じぶんかってな思い入れをします。あなたのなまえはきっとFではじまる。フランチェスカ。水をたくさ んのみます。それはあなたの血です。とてもとても淡いあじのする水。
永遠に永遠に永遠に。
いくら流しても死なない血ならうすいおりもののようなたよりない塩のあじがするでしょう。花が咲いている匂いがする。 満たされているような気がする。酷い幸福。だれもが目を背けるようなありさまでわたしたちはこんなにも幸福でうつくし いのです。
(永遠とかって、ぜったいに)
海までの道は草に埋もれてわたしたちはかつて亡命者であったことを懐かしむ
このばしょはどこからも
どこからも
どこからも
とても遠いねえ?
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