死に至る。/
黒子 恭
月光も揺らるや海の真ん中で無き夢となり朝日を待つか
一人では死にきれぬ故か入り来た部屋の夜虫をまずは殺して
寂しくも悲しくもないよただ、ただ暗闇がずんと来るだけ
三階の窓から覗くあすはるとにいつか吸い込まれる気がする
何も無き、何も無き手かと見つめては溜め息も出ず握る剃刀
樹木も冷える暗き森の奥底で一人でしやるかくれんぼです
誰彼もまごうことなき来るものなので今この瞬間に死にたい
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