波打っている/小原あき
 
アスファルトの道を歩いていたら
急に波打ってしまったので
なんだろうと首をかしげていたら
そういえばこのところの猛暑で
線路が歪んでしまったことを
思い出していた


ミニィは
アスファルトからの照り返しが強くて
肉球を火傷した


どうしたのだろう
少しばかり冷たい
土の上を歩けば良かったのに


土なんて
しばらく見ていない気が、する


波打ってしまったアスファルトを
それに沿って歩いていたら
いつの間にか海に変わって
人間はいつの間にか
水の上を
歩けるようになってしまうのだ、と
怖くなった


しゃがみ込んで
ミニィの肉球を
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