悲しいくらいに美しい/壺内モモ子
 
亡くなった人の骨は美しい
悲しいくらいに美しい

外浦海岸を歩く
白い砂の上を歩く
足跡ができては消え、できては消え
さらさらの白い砂、右手で掴んだら
指と指の隙間から
すうっ
と、こぼれていく
こぼれていく
海水よりも、しおっぱい
涙が
すうっ
と、こぼれていく
こぼれていく

悲しいくらいに美しい
この砂浜のどこかに
祖母の骨が、埋まっているのかもしれない
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