バナナ。/菊池ナントカ
蒸し暑い夜、
バッタリと畳に倒れこんで変死したように微睡んだ。
お腹が痛いのはきっと生理だからです。
私には誰もいない。
誰もいない。
誰もいない。
誰もいないったら。
ちゃぶ台の上にバナナ。
誰かんちの風鈴がうるさい。
被害妄想はいくらか良くなったようで、
例えば街角で指差して笑われたとしても「あんたみたいなブサイクに笑われる筋合いは無い。」と思えるようになりました。
あんな娘よりは私可愛いはず。
可愛いはず。
ブサイクと片仮名で書くと呪いが増したようだ。
(お前が世界を握っていなくても、世界は進むんだよ。)
呻くように泣いて、
発情中の猫を恨んだ。
死神に見入られて身動きが出来ない。
宗教は誰も救わない。
明日、誰でもいいから寝ようと思った。
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