つぶやき/見崎 光
 
とうに心は朽ちている
廃墟のような重い空間と
隙間だらけの空しさが
戯言を吐き出しているにすぎない
風さえも知らぬふりを通し
荒らすほどの風景など
もう、無いに等しい

急に老け込んだのか
それとも
忘れてしまっただけなのか


筆など持てない有り様ながら
どこか、胸の遠くで
せかす雨垂れに囃されている


心はもう
とうの昔に、死んでいる




戻る   Point(2)