失魂/秋也
 

棺が閉まる
人の永い夜が始まる
闇がかった
夕焼けの終わりが
遊び足りないと
ひたすらに寂しくほほ笑みかける
だから
棺の中で笑った
まだ
彼と
私は
同等
何も持っていないから
せめて
夕焼けぐらいは
打ち負かしたいんだ
血に朱が不足している
流さなきゃ
濃さだ
まだまだ
失うには
早すぎる
夕焼けを抱きたい
抱いてから
魂を
わからない
どこかに
飛ばす

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