「 溺れる魚はきみかもしれない。 」/PULL.
 






嘘つきはもとめるように口を開く、
だから石を入れて縫いつけた。




キスしたければ唇のように目をあけてぼくを受け入れて噛んで。




さあ泣いて、
きみの涙が満ちるまでこの海は渇いてつまらない。




舌先でなぞる名前はひとりめからきみまで続くこれで最後。



これは戯びときみはいった。
でも溺れる魚きみかもしれない。





溺れてゆく。
きみが愛おしかった。
さようなら、
もう嘘はつけない。












           了。


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