「美しい日本」/リーフレイン
 
「美しい日本」 
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トランペットの軽やかなメロディーとエイトビートのパーカッション。転がりそうなベースラインと和音を刻むピアノ。40度の灼熱の外気をよそにクーラーの効いた部屋に寝そべって氷の浮かんだコップを口に運ぶ。汗をたらしながら往来を歩く人をテレビで眺め、熱中症で死んだ中学生に「まあ、かわいそうに」とつぶやく。

そこはかとない優越感はそこはかとない罪悪感に裏打ちされているが優越性を手放してしまうほど善人でもない。自分の子供たちが同じように優越性を確保できるようにと腐心してしまうほどに身勝手でもある。
人は平等ではないし、本当のところ平等でありたいなどとは思っていない。少なく
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