メッセージ(稿6/ワタナベ
く声。ぼくの影がながく伸び、レンガ造りの玄関は夕日に照らされている。声がする、ぼくはぼくの校舎に入っていく、靴箱いっぱいに靴は並び、下穿きはない。靴のまま、校舎の中に入り、三階の教室を目指す、声がする、扉を開け、壁一面に貼り付けられたデッサンを剥ぎ取り、破り捨てる、声がする、頭の奥で響く。
画鋲がばらばらとふりそそぎ、手の甲をひっかき、数多にぼくの教室を反射し消えてゆく。ぼくは一心不乱にデッサンを剥ぎ取り破り捨てる。
鞄を投げ捨て、窓枠に力をこめた。
手の甲の傷に、しずくが、ぽつり、ぽつりと落ち、染みこんでゆくたび、遠く燃える空が、頭上からゆっくりと、とうめいな群青に染まり沈む。
ぼくは投
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