想像/ルイーノ
 
 
 
 
月のあたり
大きな風が
愛撫する夜

点滅する滑走路は
俯き加減でも歌った
それが二人の
着陸を許した

火に焼けた可憐は
明け暮れのごと
肌を透かせゆらめき
語り得ない事どもを
苔蒸した井戸へ沈める

行方のない
ありふれた翼だよ恋人
たちまちに広がる
春の静寂には指をおくれよ

むさぼりあった呼吸の音が
鏡面の湖の上を飛ぶ
頭上に奈落を張り巡らし
見棄てた秘密を
打ち明けたなら


散る花に似た美しさ
きみには宿ると伝えよう

そこの先には月が待つ
これは決して想像ではない
 
 
 

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