哀しい夢と朝陽とキミと/さくらいちご
昨日、夢を見た
隣りで寝ているはずのキミは
夢の中では遠い人だった
キミを失わないように、
私は必死でキミを追いかけていた
みっともないくらいに必死で
でもその想いは届くことはなく、
絶望的に一方通行だとわかっていた。
目を覚ましても、一瞬それが夢の中の話だったとわからなかった
何度も味わった、一人よがりの想いの孤独
その痛みは懐かしい痛みだった。
時計を確認して現実に戻ると
キミが隣りにいるのを思い出した
失いたくないと思った。
幸せな時はその幸せだけを見ればいいのに
どうしてかそれを失う恐怖も捨てられない
やっと手にした幸せを奪われた時、
その痛みはどのくらいなのだろう
時が経つことによって手当てができる痛みなのだろうか。
キミはその痛みを知っているんだね。
いつか懐かしいと思い出せる痛みですか?
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