ゲートにて/秋也
 
もいい
本当にどうでもいい
蜃気楼まみれだ
いつも
がっくりくる
本物で
ずっしり重いのは
この扉と扉の空間と
アイツの
背中にある
誰かが
確かに見たという
色も不明な蜥蜴だけさ
いつ
俺は
最初の扉を
開けた
本当に
一人で
開けたのか
不安になる
人よりも
自分よりも
蜥蜴よりも
空間よりも
レッドカーペットよりも
一枚の
板に
支配されている
板に装飾された
大きな巨人に
殺されては
果てているようだ
一枚目で失い
間で生き返り
二枚目奥にみえる
蜃気楼
どれもロストワールドで
ウェルカムな事実であり
不確かな日常だ
素数みたいに
割り切れない
巨人の骨で
つくられた
ご大層なドアのぶ
まわして
押して
蜃気楼な未来に
乾杯しよう
俺はそうする
一枚目の扉をくぐる
瞬間を思いだしながら
今も必死で息づく
なんだ
這っている
蜥蜴と変わんねえや
違いない
違いない

戻る   Point(1)