ノート(夜へ ひとり)/
木立 悟
い
皆ひとつだけを背負い歩き出す
透明な板に浜辺の砂を詰め
楽隊は変わりゆくものを奏でつづける
海に終わり 海にはじまる
右手の鳥に左手が触れ
右手も左手も鳥になり
いちばん近い夜を巡る
雨は来し 鳥は来し
高らかな
空の骨から
蜘蛛の巣を破らず降りつづく夜
もっともっとひとりに届け
もっともっとひとりに響け
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