ほおずき/彌月
 
朱に染まれ

種を残せ

口に含む苦さを忘れない

ぎゅ ぎゅ と鳴らす感触を思い出す

朝焼けの色を写し取り

朱く朱く乾いた夢を

灼けた大気に溶かし込み

ほおずき灯り

消えて

闇に浮かぶは

朱い月
戻る   Point(0)