かいだん/
ゆるこ
うだるような夏空
じりじりと足が溶け始めた寂しさに
わたしは階段を徘廻する
今へと続く段の隙間に
モノクロ写真 一枚
誰だっけ。
容量を越える思考は
片っ端から消している
きっと昔大切だった人だ
渇いた眼球
セミの断末魔
汗だくの皮膚
黒いワンピース
理不尽にはみだしてしまったわたしは
携帯ストラップを持ちながら
時間軸を永遠と徘廻する
(果てはいつもみえないの)
(あまりにも目をつむりすぎたから)
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