ヨル/北大路京介
ら持ってるが 古くなってもいいのかな
別れる直前に女が 針で穴をあけたとか
そういう話は恐いけど 憧れてたりもしてる
白く 狭い 背中を 後ろから抱きしめたい
タバコの香りが鼻につき 急に衝動は消え失せた
夜の時間を愛しても 陽は昇ってきてしまう
昇っても また沈むのに 暖かく僕も照らす
うすく透けて見えているライン 僕も同じように縛られたい
あの太陽もいつかは この地球を飲み込んでいく
緩やかに舞い落ちた夢を 切り刻んで窓から撒き散らしても
心の奥から叫ぶ声 響かずに消えていく
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