Amalgam/
鏡文字
それは
現代詩の塔の北東にある
救済の香りあふれる果樹園に
傷口を大きく開けて
毒々しく熟れている一個の柘榴の実だ
流れ出る血の
暗赤色のインクで写し取られた
闇の中の星々の煌めきが
外壁の上に凝固する
彼は信じもし 愛しもするだろう
汚泥に咲くロータス
粉末の静かな絶叫
多幸感
そして一輪の
白い虫媒花を
私たちは
肩の後方から浴びせられる雨を
恵みとして受け止める
私たちの身体は
固く乾いて
痙攣する
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