再眠/本木はじめ
 
円とゆう音の響きに耳が溶けてゆく
その遠い背後に
灰の花びらが降ってくる午後
直立した観葉植物が
部屋の隅で孤独を体現するように
ぼくは彼女を見つめている
突差に立ち上がり灰皿を持った彼女の青い左手首を握り締めると
指先から手の平は
真っ白に冷たくなった
世界はその透きとおるしろさに
一新された
すなわちすべては
ゆらゆらになった
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